技能実習生の失踪者数ランキング

2015-12-02

技能実習生の失踪者数ランキング
技能実習生失踪者

1位 中国人技能実習生      1902人
2位 ベトナム人技能実習生     787人
3位 インドネシア人技能実習生  200人

2014年の技能実習生全体の失踪者数は、
3139人(不法残留者数の全体は、59061人(2014年度))

割合で表すと…

1位 中国人技能実習生  60.59%
2位 ベトナム人技能実習生 25.07%
3位 インドネシア人技能実習生 6.37%

中国人技能実習生の失踪数割合が突出して多いです。
技能実習生全体の数から見れば中国人技能実習生の数が多いので頷ける数字です。

国別技能実習生数
平成25年度末に法務省が発表したデータでは、155214人。

なぜ技能実習生の失踪は起きるのか?

原因はいくつか考えられます。

JITCOの行った調査で、
帰国した実習生にアンケートを取っていたのでココで紹介します。

実習生の不満

2013年8月から2013年11月に帰国した11731名(中国、ベトナム、インドネシア、フィリピン及びタイ)
の帰国した実習生に、「帰国技能実習生フォローアップ調査」を行っています。
この中で「実習期間(在留)中に困ったこと」という項目があります。

不満を知ることで、失踪原因を把握することができます。

・物価が高い
・ホームシック
・税金、社保が高い
・仕事以外の時間が暇だった
・残業が少ない
・賃金が少ない

など沢山の意見が見受けられます。

要約すると、、、

・雇用条件が違った。
・イメージしていた日本の生活ではなかった。

上記の調査結果以外に、こんな意見もあります。
実際に日本の人材紹介企業の方や組合の方から聴く意見で、、、

始めから難民申請目的で技能実習生として入国。

難民申請 技能実習生

そもそも途上国では一般的なビザが発行されにくい背景があります。
難民申請を始めから計画する人々も少なくないからです。

そこで一部の外国人労働者は難民申請を始めから“する”つもりで技能実習生を装い日本に入国します。
ミャンマーやネパールの一部でよく見られる光景です。酷いケースになると入管で難民申請を出す人々もいます。

日本側の監理団体である協同組合の職員や受入企業の方が空港の出国ゲートで待つのに、
一向に実習生が入国してくる気配が無い…

なんてケースも少なくありません。

始めから難民申請をするつもりで入国を試みる技能実習生は、
送出し機関に責任が大きくあります。

身元の確かな人材で技能実習制度を理解し、
日本企業で働き専門技能を習得する目的を持った人材を事前に選ぶ必要があります。

日本側の監理団体や受入企業では、どうしても人材を選定するのには限界があります。
そもそも技能実習生の面接の段階で、難民申請目的を持った人材ばかりが選ばれていたら防ぎようがありません。
技能実習生を選ぶ監理団体、協同組合や受入企業の方々は人材の身元をチェックする機能を作らなければなりません。

貧困が酷い国では親が子に難民申請を教育します。

とある国では、技能実習生として出国する自分自身の子供に難民申請をするように助言を行う人々もいます。
難民申請をして、申請中にアルバイトを掛け持ちしたほうが稼ぎがいいから、、、と。

難民申請をする未来がどれだけリスクの高い選択肢なのか彼らは知りません。
申請中は働けるだけ働いて、受理されなくても再申請を出す。そしてそれを繰り返し帰国したくなったら強制帰国を選ぶ。

「今よりも良い待遇で働ける場所を紹介する!」なんて甘いささやきを持ちかけますが違法滞在者が就ける職は知れています。
社会の底辺どころではなく、社会の外で働くのですから待遇面が良いわけがありません。ですが難民申請をそそのかす人々は語りません。
最近では難民申請中の労働について制約をかける動きも見られます。正しい情報を
協同組合、受入企業、送出し機関の3社で技能実習生に発信していかなければなりません。

失踪を下げるためには、
実習生の不満を下げることが重要です。

実際に外国人を使って成功している企業の管理者の方々に聞いて役に立った事例を最後に紹介します。

技能実習生にキャリアアッププランを提示する。

キャリアやビジョンを技能実習生にイメージさせてあげることで、
普段の働きぶりに変化が見られたり、企業での人材定着率を向上させたりするケースをいくつも見てきました。
外国人だから、ではなく日本の若者と彼らも同じです。未来に輝かしいキャリアプランを提示してあげることで、
失踪、難民といった間違った未来に進むことを防いであげることができます。

技能実習制度の本来の役割、立場に返って活動をする必要があります。手間はかかるかもしれませんが得られる未来の果実は巨大になります。

技能実習生に詳細な条件を事前提示する。

あまり多くを語らない受入企業の方が多いですが、
これは間違いです。雇用条件を事前に技能実習生に提示するのは極めて重要です。

日本人に働いてもらう場合でも同じですが、事前に提示されていない条件に従うのを嫌うのは雇用される側の立場になれば仕方ありません。
「こんなのは聞いていなかった…」「聞いていた話と違う…」言い訳を与える機会はできる限り事前に潰しておかなければなりません。

雇用条件の詳細に至るまでガラス張りで技能実習生に提示するのは、
これからの3年間、5年間の期間をまっとうし、その後の相互の良い未来の為にも必須事項です。日本で働く前に細部まで技能実習生としての生活をイメージさせてあげることが両者にとって成果を最大化させることがかできます。

技能実習生の国民性、個性を尊重する。

国や文化により生活習慣や考え方は異なります。
日本で生活をしていると異文化に触れる機会が少ないですが、異文化を尊重する姿勢は大切です。
相手の文化に敬意を払うことで技能実習生個々人のポテンシャルを最大限に引き出すことも可能です。

日本式を強制するのではなく、相手に敬意を払うことで個性を引き出し企業としての生産性を上げている事例もあります。
ついつい日本式や自社の企業文化を押し付けがちになってしまいますが、全体の生産性を向上させるためには個性を尊重する事も必要かもしれません。

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